なおmath 東大理三受験

東大理三までの道のりをつづっていきます。理一合格時までの経験,東大や国公立・私立医学部などに受かった人たちをすぐ隣で見てきて感じたことも書いていきます。

【化学】センター93,東大28点までの学習法

英語(英語の記事はこちら),数学(数学の記事はこちら)に引き続き,化学について書いていく。

理科の2次の点数は(※センター試験は当時範囲が狭く今より簡単であった)合格者平均から大きく外れた点数になってしまっている。理由としては,十分に点数を取るための学習を考えると,進捗が間に合っていないことが原因だ。

学校の化学

問題集

セミナーではないが,それと同類のもの

1,2年生のときは,試験範囲は問題集のページで指定されていた気がする。一通り解いていたはず。

K先生の抜粋入試問題集(プリント)

K先生という,生徒をたきつけるのが非常にうまい方が学校にいらっしゃった。3年生からは毎年,と崇められる,ありがたい先生だった。その先生の精選した,問題プリントを高3の後半は解き漁っていた。重問レベル程度までの多くのことが学べた。

定期テストで失敗して学んだこと

K先生は高2のときから理系化学の上のクラスを受け持っていたが,一度私は,下のクラスに落ちた。平均が60点くらいのテストで,50点くらいを取ってしまったのだ。あとで見返したら全然わかっていなかったということではないが,計算ミスや,考慮し漏れた点などが続出し,自分でもびっくりしたことを覚えている。「わかった気になっている」「計算なんて練習する必要などない」このような思い込みを今後しないで済むという意味ではいい経験であった。受験では,点数を取らなければ全く評価されない。自分に能力があると信じて「自分の手が届く確証はない大学」に向かって勉強をするのだから,しっかり点を取って大学にアピールしよう。

授業の『使い』方

高3の演習の授業は,もちろんなるべく演習していった。予習しないで受ける人には人権がないと思って臨むのがよいだろう(勉強に対するやる気がなかった時の自分に聞かせてやりたい……)。
高1から高3の途中までの,演習でないときには,話を聞いてノートを取った。当然であるが,なるべくその場で理解しようと努めた。(高3の2学期の途中まで有機の授業があったが,河合やベネッセの模試の紙が気に入り,みんなから余った解答用紙をもらって,その裏に書いていた。)ノートはきれいな方が見返しやすいとは思うが,字を丁寧に書くことに拘り過ぎるのは嫌いだ。自分が読みづらいと感じないことと,あとはよく言われるように余白を大きく取っておけばok。

学校の無機の扱い

夏休みの宿題で,無機のまとめノートを作ってこい。というのがあった。私はそもそもノートを書くことすら苦手であったため,初めの数ページで挫折して,参考書(後述)を買った。夏休みに数回補講があり,授業においてはそれで無機を終えたことにしていた。

自習の化学

使用テキスト

Doシリーズ 福間の無機化学 旺文社

神。無機化学は自分でやるという学校だったため,本屋で泣きそうになりながら,救いを求め彷徨(さまよ)っていた。そうしたら見つけたのだ。福間の無機化学。初めの方に,理論の話も載っていた。よくわかっていないことばかりであったために,感動した。今も,受験生には「電子式から分子の形の推定」ができない人が多くいるようだが,そのあたりも書いてあった(もちろん,おまけであり,無機分野の充実は保障する)。この,2019年4月に新しくなったばかり(私はまだ改訂版を読んではいない。ごめんなさい)。ぜひ手に取ってみてほしい。

使い方は簡単で,説明が穴埋め形式になっているページがある。とりあえずその穴を完璧に埋められるまで繰り返し読むのだ。

 

Doシリーズ 鎌田の有機化学 旺文社

有機の本は,無機がよかったから期待して買った。もちろん良い本だった。授業では聞いていなかったことも少し載っていたと思う。

  • Doシリーズ 鎌田の理論化学 旺文社

自分の受験が終わってからこれも読んだがこれもよかった。ただ,無機と有機の本に比べると,一人で読むには難しいかもしれない。

重要問題集

言わずと知れた良書。ただひたすら解くしかない。
高3の7月からか(8月にはやっていた記録があるが,7月にははっきりとは書いていなかった)。かなり時間がかかり,受験本番の2月頭まで過去問に移行できなかった。化学は学校の授業がしっかりしていたため,半分くらいは初見で解けたと思うのだが……。1周目解けなかったものを,2周目にまた解いた。

反省

重問だけでは足りない

早稲田や慶應(どちらも理工系)は,重要問題集でも十分対応できた。特に慶應の化学は解きやすかったと記憶している。しかし東大を受けるのであれば,「新演習」まで取り組まなくてはならないだろう。ちなみに,今年に入ってから私は理三に向けて新演習を解き進めている。その際,感じたことがあれば各問題に随時コメントをしている。新演習に取り組んでいる人はぜひ参考に→化学の新演習〜正誤表の機能あり〜 - なおmath 東大理三受験
実のところ,当時から新演習までやるべきだということは,東進などの合格体験記を見て知っていた。合格者のほとんどの人が新演習,あるいは予備校での演習を受けていた。重問までしか知識を増やさないでは,過去問までのギャップを埋めるのは容易でない。夏までに重問,秋までに新演習と進めることが理想だろう。私の場合は,わかっていてもそこまで早く終えられなかったのだ。「理科は英数に比べたら何とかなる!」というのは事実だが,その程度は人による。理解を放置してきた人も,「英数だけできる」から夏には脱却したい。
 

過去問は秋には解き始める(あるいは,形式をきちんと把握する)

重問から過去問に(2月に!)移行して衝撃を受けたのが,出題形式の違いだ。絶望した記憶がある。訳が分からなかった。英語などは河合の授業でも演習をしていたし,数学は気合で何とかなったが,理科は問題がとにかく目新しく見えた。特に有機などは,問題を見て自分で考えないといけないものも多い様で(まだ詳しく知らない。勉強が進んだらリンクでも貼る。)慣れが必要だと感じた。

できる単元だけでも先に過去問を解く

有機が終わるのが冬という人も中にはいるだろう。しかし,理論や無機だけでも,先に演習ができるはずだ。実際私は2月になっても重問を開いていてかろうじて受かりはしたが,化学の出来は決して良くはない。英数とのバランスが重要だ。優先順位を考えて,それぞれの戦略をきちんと立ててほしい。