なおmath 東大理三受験

東大理三までの道のりをつづっていきます。理一合格時までの経験,東大や国公立・私立医学部などに受かった人たちをすぐ隣で見てきて感じたことも書いていきます。

【ドラゴン堀江】東大合格者を送り出す,東大卒 数学講師が見て

Youtubeでも見られるドラゴン堀江。

【第10巻 フル】センター1週間前のホリエモンに完全密着!数学模試で合格圏内のとんでもない点数を叩き出す‼︎|『ドラゴン堀江』毎週火曜よる11時放送中! - YouTube

 

これからYoutubeで,東大や医学部受験系の動画を上げて活躍したい私としては,非常に興味を持つものだった。

 

見てみて,気になることがあったから,動画内のコメントとまたTwitter上で,堀江さんに進言Tweetをしてみた。

 

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堀江さんへ,私(なおmath)から進言

内容は次の通り。

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他の人も書いている部分がありますが、流石に合格は無理がありますね。

1点目→前半のテキストの話を見ると、倫理の勉強をしているようですが、2次試験では文系は「日本史・世界史・地理」から2科目を受験するはずです。理系なら理解できますが、それでも、政経は学習しているのでしょうか。。。また、スタッフさんはまさか2次試験の社会について把握していないのですか?それこそ、「教える人がバカ」ですね。。。

2点目→数学が8割弱で喜んでいますが、理科で稼げない人は、数学も取る必要があると思います。こちらは戦略次第なので、数学が80×2で受かる人ももちろんいますが。

3点目→これが【最大の問題点】です。過去3年の合格者最低点は、文系科類全てにおいて「340/550」を超えています。どうやって2次試験で220点を取って合格するのでしょうか。センターは110点満点に圧縮されますから、満点をとっても計330点。2次で220点では、かなり難化しない限り【絶対に】受かりません。オンエアする前に、【まともな人】がチェックしなかったのか、甚だ疑問です。講師の方もかなりの方々と期待していた分、現状を正しく知るという「基本的なこと」が非常にいい加減だったことは、大変残念です。その見通しの甘さで、受かるわけがありません。

 

消されそうなコメントですが、炎上を狙っているのならナイスですねっ!

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夜中に,思い付きで送った内容だったが,まさか反応をもらえるとは思わなかった。幸運にも,堀江さんから(きつめのお言葉で)回答を頂き,それを面白がって見てくれる人も多くいたようだ。駆け出しの私としては非常にうれしい経験になった。私の動画へのコメントは(飲んだ帰りということもあり)理性的ではなく煽り要素も強い部分がある。

しかし,「私と堀江さん。それぞれの意図をわかっていない人も(Twitterを見ていると)多いと感じたので,まとめることにした。

 

1.堀江さんの奇抜な社会科戦略

 

東大文系を受けるためには,センター試験

「世界史B」「日本史B」「地理B」「倫理・政経

から2科目を受ける必要がある。

しかし,東大2次試験(センター試験と,2次試験の2種類を受けるのだ。)では,

「世界史」「日本史」「地理」

から2科目を受験することになる。

したがって,通常の受験生は,2次試験でもセンター試験でも使える,

「世界史」「日本史」「地理」

から2つを選んで受験用にたくさん学習することになる。

 

しかし,堀江さんの戦略は違った。

堀江さんは,センター,2次を含めた「日本史」のための対策をするよりも,2次試験の「日本史」とセンター試験の「倫理・政経」の準備をした方が効率が良いと判断したのだ。

 これはかなり驚くべきことだ。今後の受験生が参考にするかは別として,1つの選択肢であることには注目したい。

 

私も,凝り固まった思考のせいで,失礼なことを言ってしまった。反省である。これに関しては,東大文系に受かったことがない私からいえることは何もない。

 

2.2次試験で獲得するべき点数


私が一番突っかかった点はこれである。

「2次試験を220点しか取らずに通過できるのか」

という問題である。

配点は次の通りだ。

  • センター試験 900点 → 110点に圧縮
  • 2次試験    440点満点
  • 合計      550点満点

合格点は,毎年異なる。堀江さんたちが文科何類を受けるかは不明なので,最低点の科類を受験したとしよう。

河合塾様から,合格者最低点の情報をいただこう。

東大合格最低点・平均点の推移 | 東京大学入試情報2019 | 東大塾 | 河合塾

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東大文系 合格者最低点&2次220点の際のセンター必要得点

数字に強い人たちであれば,すでにお気づきだろう。

 

2次試験で220点を取る場合に,センター試験で必要な点数は一番右の段の通り。

過去10年間のうち,8年がセンターで110点満点を取っても合格できない。110点を超える年度ばかりである。

さて,残った2つ。

 

2014年。107/110というのは,900点満点で875点。はい。あきらめましょう。センター試験875点を実力で取れる人は,2次試験で220点しか取れないということは(2次対策もしている限り)ありえないといえるでしょう。

 

2013年。91/110。こちらは744点。これならまだ可能性はあるでしょう。しかし。。。悲しいことに。。。この年は,センター試験が難化した年です。やはり,厳しいと言わざるを得ないですね。合格者平均も当然低く,文三で767点です。高い年は同じ文三で790点もある合格者平均。この中で744点を取れるなら,2次試験で220点以上取ってほしいですね。

 

中にはもちろん,数学を捨てて,文系科目だけで頑張る東大生もいます。そのような受験生の場合は,この限りではありません。

 

大切なのは,自分の得意,不得意を判断して,自分にあった戦略で戦うことです。

堀江さんの戦略は,「みんな,とにかく必死に勉強しよう!」というスタイルだと思います。始めたころは全く合格がありえない位置からのスタート。懸命に取り組む姿勢は,多くの人に感動と,勇気を与えたでしょう。

 

もうセンター試験も一日が終わりました。しかし,受験は始まったばかり!!!

企画受験者の,堀江さん含めた4名。私と一緒に勉強してきた受験生。そして,全国の受験生が持っている力をすべて出し切れるように祈っています。

最後まで,がんばろ~~~!!