なおmath 東大理三受験

東大理三までの道のりをつづっていきます。理一合格時までの経験,東大や国公立・私立医学部などに受かった人たちをすぐ隣で見てきて感じたことも書いていきます。

【物理】良問の風①力学

他の本はこちらから

続きはこちら→良問の風②熱・波動

 

書いている時間は、解くのにかかった時間で、一問ごとに計っている。答え合わせとここへの記入時間は含めていない。

進捗管理

2019年4月

10日 1-10、11日 11-20、12日 21-24、13日 25-29、14日 30-31、15日 32-40、16日 41-46、17日 47-52、19日 53-56、

 

1.速度と加速度(1~6)

1. 3min

2. 5min 別解にグラフがあるが、運動の様子を把握してから解くことが好ましい。そのためにグラフを書くと良いだろう。

3. 3min 川の流れに垂直に進むためには、垂直な向きに進むわけでないことに注意したい。

4. 7min B→Cと、C→Dの後半半分を比べると、最後の速度がe倍されている。したがって(どちらでも加速度−gの等加速度運動であるから、)時間はe倍、高さはe^2倍。具体的に計算せずとも知っていた。

5. 5min この問題の解答ように前問4も解いていきたい。

6. 5min 鉛直方向はただの投げ上げ。速度をはじめに分解したあとは、縦と横で完全に切り離して思考したい。高3以上であれば、三角関数の倍角はもう刷り込まれていなければならない。義務ではないが、(4)は解答のように変換した方がたしかにきれいだ。

2.剛体のつり合い(7~11)

7. 5min 解答のように、棒の重さによるモーメントを考えるときには、ヒモの左と右に分けないで考えることができる。棒全体の重心に、棒の重さがかかっていると考える方が早い。(左0.3m地点に0.6m分の重さが、右0.2m地点に0.4m分の重さが加わると考えても解けるがダサい)

8. 10min (1)も(2)も、どこ周りのモーメントを考えるかが大切。特に(2)では、まだわかっていない垂直抗力を登場させないように、点P周りのモーメントを考えたい。(どこにしても解けるが、連立方程式を解くのは面倒。)

9. 8min α,βと二文字出てくるが、同時に扱う必要はなく、部分ごとに切り離して考えれば難しくない。sinとcosのどちらを使うか悩んでしまう人も、αを20°、βを70°くらいにした図を書けば間違えないだろう。

10. 9min 文字が多いが、誘導と解答の仕方の制約が有難い。もし誘導が消されても、移動によって変化する張力が無視できるよう、点B周りのモーメントを考えている点などに注意したい。

11. 10min

垂直抗力しか働かない点Bよりも、2種類の力が加わる点Aの周りのモーメントを考えると楽なことに気づくように。

(3) 考えれば、解答のようにBの方向に動かすと棒が滑り出すということがわかるが、何も考えずに立式しても構わない。

3.運動の法則(12~20)

12. 5min このような問題を解くときは、最後に単位がおかしくなっていないことを確認したい。「h/gの単位はs^2で、ルートに入れるとちょうど時間になる」のように。

(4) (3)でtを求めてから(4)を見たら、別解の方で解くのが自然か。

13. 6min 解答にもあるが、久しぶりに単位が出てきた。ケアレスミスで減点されることのの無いように気をつけたい。

(2) これは有理化するべきだと、私は考える。(おそらく、しなくとも減点はされないのか。)

14. 9min (6) 台が床から受ける垂直抗力を求める際に注意を要する。すべて静止していたら二つ分の質量にgをかければ良いが、今小物体Pは動いている。したがって具体的に台に加わる力を考えなければならない。作用反作用は慣れれば簡単だが、ここでつまずく人が一定数いると思う。小物体Pが台から力を受けるとき、台もPから力を受ける。

15. 12min (ウ) 素直に板に注目するのは面倒。板に着目すると、張力、Bから受ける力、重力、加速度と、考える事柄が多い。

やはり、作用反作用が大切だ。

16. 9min (1) 絶対値を用いれば、2つに分けないでも解ける。「張力と重力の斜面方向の差の絶対値が、最大摩擦力以下」でおしまい。

(2) (イ) Qが床に達してからではなく、動き始めてからであることに注意。

17. 4min 

18. 7min (4) 「有理化すると計算しやすい」とあるが、しなければならない。有理化してから代入しないと、必要以上に想定解との誤差が広がる。(あとで別記事を書いてリンク貼る)また、解答は分母を15にしているがこれは賢くない。分母分子に2をかけておき、分子を3で割って最後に小数点をずらすと良い。

19. 12min (4) 運動量保存を用いて、検算が容易にできる。 (5) 相対速度で解く方法は必修。

20. 10min (2)(ウ) 19と同様に、今度は相対加速度で考える。

4.エネルギー保存則(20~24)

21. 6min 力学的エネルギー保存則が使える。時刻を全く聞かれていないときは、時間と速度・加速度の関係を考えずに、エネルギー保存則を用いよう。

「B点で接して固定されている」は、滑り台は円弧だけで、木の枠を左右からガシャーンとはめ込んでいるということか。

22. 6min Pはバネに繋がっているわけではないことに注意。もし繋がっていたら、自然長での位置と点Aとの距離が与えられるはず。また、文字ばかりであるが単位が必要なことに注意。

23. 6min 時間は登場していないから、やはり力学的エネルギー保存則を用いたい。動滑車が理解しづらいかもしれないが、滑車に加わる力をかくと、わかりやすいだろう。

24. 10min tanθや、μには、単位がないことは意識しておきたい。だだの比である。星が付いてはいるものの、そこまで程度は高くない。(2) xが登場しているが、ここではこのxを用いて良いと解釈したい。あとで求めるのだから。(4)では摩擦熱が生じることに注意。(5)はヒントがあってありがたい。

5.運動量保存則(25~29)

25. 13min (2) 必ず別解を理解すること。より楽な方法で解くことの価値は高い。(4) (始めのBでの運動エネルギー)=(Bに帰ってきたときの運動エネルギー+摩擦熱)でも解けるが、DとBで考えた方が楽か。その方がlだけで表せるためか。珍しいタイプ。

26. 10min (1) 勢い余ってわざわざエネルギー保存で解かないように。e=1をそのまま用いたい。(解答のように解こう、という話)

(5) 分母分子をそのまま計算するのではなく、解答に倣い(1-x)の形にきちんと変形したい。熱の分野でもこのような変形は大切。

27. 9min (1) 始めにAの軌道をy-t図にしておくと良い。

27. (2) 問題文を修正しなければならない。「BとAは、地面に落ちる前に空中で衝突した。このとき、sin αはいくらか。」PQ間の距離が十分に大きければ、sin αがいくつでも(床と弾性衝突しない限り)点Pで衝突する。さらに、Aが一度バウンドしてからぶつかる場合、二度バウンドしてからぶつかる場合……、さらにBが……、AとBがそれぞれ……と、無数にある。もちろん、反発係数が与えられてないため、常識的に考えれば出題者の望む答案を書く受験生が多数であろうが、「始めの打ち上げから落ちるまでに衝突した」と書いて無用な混乱を避けたい。なお、「床とA,Bはそれぞれ弾性衝突をする」としても良い。

28. 6min 相対速度を当てにせず、実際の速度(解答では速さだが、個人的には速度がおすすめ)を文字で置いて式を立てる。

29. 5min (3)までの結果が間違っていると(4)でおかしなことになる可能性が高い。(4)は検算の役割を担っているとも言える。有難い。仮に(3)までの出題だったとしても、自分でm=Mの場合を考え、「とりあえずおかしくなさそうだ」と確認したい。角の単位radは書く必要があるか?これは物理やってる人に質問せねば。

6.保存則(30~33)

30. 12min 解答にもあるが、バネ越しにぶつかっときはe=1の弾性衝突と思って、(運動量保存の式と)反発係数の式を用いて解くと早い。(4)は、要するに初めの状態と逆向きになって進んでいるだけ。直感的に分かると良い。

31. 15min 個人的に良問であると思う。作用反作用から、力の加わる方向をしっかりと把握したい。AからBに落ちるまでの間は、Pが左向きの加速度を台に与え、Bから静止するまでは、Pは右向きの加速度を台に与える。

32. 10min 10minよりも早く解きたい。(既にほかでも出てきたが)このような問題では、力学エネルギー保存則から得られる関係式から、余計な解が出てくる。その余計な解は、Pが台に接触せず、そのまま進む運動であると理解していれば、例えばPの速度を求めれば「本来求めるべき解と、元の速さv_0が解」と出てくるし、台の速度を求めれば「本来求めるべき解と、Pに影響を受けなかった0」を解として得る。

33. 14min Pに摩擦は加わるが、そのときの反作用で台にその分の力が加わるから、エネルギーは失われないのでは?と思ってしまった。経験的にも熱などが生じて、エネルギーは減る。

7.慣性力(34~36)

34. 5min (3) 問題文がよくない。物体が床をl[m]【滑った】とき,要した時間とそのときの速さを求めよなどとするべきだろう。

35. 7min 慣性力は,「そのままであろうとする力」と考えれば理解しやすいだろうか。

36. 7min (3)の別解の考え方を,意地でも習得したい。別に運動方向や,張力Tの方向に拘泥する必要はない。別解の通り,垂直方向と鉛直方向に分ければ,計算がぐんと楽になる。(4) 解答の解法は賢くない。さっきまでTがあって釣り合っていたのだから,Tと同じ分の力が反対向きに加わっていたとすぐにわかる。(3)と同じ式は書いてはいけない。

8.円運動(37~42)

37. 8min 解答のKEY POINTにもある通り,「円運動している物体に自分自身が乗っている」と考えると,遠心力が加わったうえで,力のつり合いで解くことができる。(2)については,『問16』で既出であるが,絶対値を用いて容易に解ける。

38. 11min 一長一短であるが,解答の方が分解の手間と,(2)における計算の手間が少ない。『問39』の別解のところに書かれているが,どう分けるかで計算の手間が変わる。最善を見極める努力をしよう。

39. 5min Tを直接求めるためには,Tと同じ方向に加わる力に分解するとよいだろう。その後Nを求めればよい。別解の通り。

40. 16min (2) 解答の書き方は嫌いだ。(3)の内容ではあるが,点Pにおける垂直抗力をしっかり求めるところから始めよう。そのうえで,Cを通った直後ということから,θの値を0と近似できると解釈しよう。(4) この聞き方は私は初めて見た。一回転するのに~といわれたら最高点で垂直抗力が0以上。と覚えている人が多いかもしれないが,Dという中途半端な位置を聞くことで惑わしに来ているかのよう。最高点で①重力が本気出す。②速度が最小になる。ことから,最高点だけを考慮すればよいのであった。

41. 10min (1) 初めから円運動をしているが,点Bの前後で半径が変わることに注意。40はCの前は円運動ではなかった。

42. 4min 最後の(5)の解き方が大切。垂直抗力は仕事を一切していないから,AQ間で力学的エネルギー保存則が用いられる。もちろん,小球が円柱面を離れる瞬間と点Qの力学的エネルギーを見ても解けるが,賢く解きたい。(放物運動と思っても解けるがそれはさすがに手間が多すぎる。)

9.単振動(43~48)

43. 8min (4) 振幅も変わるが,周期も変化することに注意。

44. 8min (2)(h) 解答の様に,ばね振り子の性質(ばね振り子の周期の公式とも言える)から考えたい。今回の問題では,初めにばね定数をgを用いて表しているせいで,勘違いしやすくなっている点に注意。見かけの重力が変化しても,ばね定数は変化しない

45. 9min 46番でも言えることだが,「つり合いの位置」つまり,「単振動の中心」を正確に把握したい。当たり前であるが,自然長とつり合いの位置は異なる

46. 12min (5) 既出であるが,放物運動を考えるときはグラフを(頭の中でもいいから)描くべき。最高点は「速度=0」で即座に求まるから,元の位置に戻る時間もすぐに求まる。あとは45番に書いた通り。

47. 12min (2) 「おもりの振れ幅は十分小さいとする。」とあるが,これでは曖昧だ。「おもりの振れ幅は,Lに比して十分小さいとする。」と書くべき。このとき,鉛直方向からおもりが振れた角θに対して,\theta=\sin \theta と近似できるのがミソであった。

T=2\pi\sqrt{\dfrac m K} に,今回の復元力から Kの値を代入して,

T=2\pi\sqrt{\dfrac L g} は自分で出せるようにしよう。

 48. 9min (2)は事実として覚えてもいい。ぶら下がる複数の振り子をぶつけ合う動画は見たことがあるだろうか。

youtu.be

解答にもあるが,当然,運動量とはねかえりの式からも導ける。 (3) つり合いからの変位でも解ける。つり合いの位置で,重力を浮力がちょうど打ち消すのだから,つり合いからの変位の分だけ浮力を考えればよい。これができるととても楽になる。 (4) 「深さの最大値」は,「つり合いからの変位」ではないことに注意したい。

49. 9min 普段重力加速度を考えるときには,『地球の中心』からの距離が一定ではないにも関わらず g=9.8[\text{m}/\text{s}^2]としている。地球の半径に比べたら地表からの距離100mくらいどうってことないということだろう。「第1宇宙速度,第2宇宙速度」も何か確認しておこう。(暗記する義務があるとは思わない。)

50. 10min 唐突に出てきた「静止衛星」。初めて聞く人は面食らうだろうが,(2)も見るに静止しているわけではなく,「地球から見たら静止しているのか」と見当がつくだろう。 (1) これを解くだけで終わるのはもったいない。ケプラーの第3法則は正しく記憶できているだろうか。円運動は,楕円運動の特殊な場合と解釈して,「周期の何乗÷半径の何乗」が一定だったか考えるよい機会になる。 \dfrac{T^2}{r^3}が一定という式が見えると一人前だ。 (2) 「静止している」とあるが,物体Aが静止し続けることはありえないと理解しておきたい。「静止している」ではなく,「物体Aを地球の中心Oからの距離rの位置で(無理矢理)静止させる。そして,静止した瞬間に物体Aはガスを噴射して~」などとするべき。物体Aは,放っておいたら地球の方へ引っ張られるのだから。それから,最後の答えは有利化することを忘れずに。

51. 10min 単位をかくことを忘れずに。面積速度一定の第2法則は,直角三角形しか出ていない。名門の森に期待しよう。

 

もともとは,すべてこのページに書く予定であったが,非常に長くなるから分けることにする。ひとまず,力学を終えた諸君。お疲れ様でした。続きも頑張ろう。

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2019年4月20日